条件を表す《unless》vs.《if … not》|語法・文法

中学&高校英語・大学受験

表題のこれら2つの接続詞に関して、《unless = if … not》だと思っている人は多いだろうと思います。

実はそのようなイコールはほとんどの場合に成立しないということを解説して、誤解を解きたいと思います。

《unless = if … not》という誤解はなぜ起きたか?

正しい英語の学習法に接してこなかった人たちは、表面的な訳語ですべてを理解したつもりになる傾向が強く、そこに起因する解釈ミスは教育現場では日常茶飯事でしょう。

多くの高校生に下記の傾向が見られます。

《unless》に対する『~でない限り』という訳語を勝手に「~でなければ」と置き換えて読んでしまう、あるいは、『~でない限り』と併記されている「~でなければ」の方だけに注意を向ける。

こういうことが原因で、

結果的に、高校生(も含めて驚くほど多くの人)が、これら2つの接続詞は単純に「イコール」であると理解していると考えられます。

上記以外に根深い原因があり、実はこちらの方が大きな問題なのです。

(1)高校生用の文法書の多くに「unless=if not」とハッキリと記載されていた時期があった。

下記に述べる「~でない限り」という訳語そのものは昔から英和辞書に載っていたにも関わらず,文法書の《unless=if not》という記述がいかに正しい理解の妨げになったことかと推察されます。

(2)学生時代にそのように習って英語教師になった人たちの中に,既得知識を修正することなく今でもそのように教えている人がいる。

(3)高校生用の問題集などの教材の中に《unless=if not》を前提にした不適切な書き換え問題が存在する。

【補 足】

この問題点は1993年のセンター試験の第2問[A]の語法・文法問題に出題されて、あまりの正解率の低さに初めて実質的に“脚光”を浴びました。

《unless=if … not》と教えていた先生たちは受験生に顔向けできなかったでしょう。

予備校調べでは,それほど正解率が低かったのです。

この一件の後,すなわち1994年以降に《unless=if … not》と教えている先生がいるとすれば、それは怠慢以外の何ものでもありません。

残念ながらそういう先生はまだ現実に存在していて、“驚愕のミス”を繰り返しています。

英文法

接続詞《unless》の本当の意味

unless の基本的な意味は『~でない限り』であり,

「unless 以下の表す条件以外の場合は…だ」という『唯一の除外の条件』

を表します。

したがって,むしろ except ifexcept when で書き換えられます。

この基本的な意味を押さえて次を検証しましょう。

◆《unless = if not》が結果的に成立する場合

【A unless B】は「Bでない限りAだ」という意味を表すのに対し,【A if not B】は「BでなければAだ」という意味になります。

例 (a) I’ll go out jogging unless it rains.
例 (b) I’ll go out jogging if it doesn’t rain.

上記の例において,(a)「雨が降らない限り」も(b)「雨が降らなければ」も,言い換えると,『雨が降れば出かけない』が共通する内容なので結果的に同じ意味になります。

こういう場合,ニュアンスの差に違いはあるものの,【unless】は【if not】で置き換え可能となります。

例(1)I’m afraid you may fail the exam again unless you lay yourself out.
(懸命にがんばらないと,きみはまた試験に落ちるかもしれないよ。)

例(2)Knowledge doesn’t go very far unless it is accompanied by wisdom.
(知識は,知恵の裏付けがなければそれほど役に立たない。)

例(3)I won’t be on time unless I leave the house at six.
(朝6時には家を出ないと間に合わないんだ。)

賢明な皆さんはもうお分かりかもしれませんが、たまたまイコールが成立するこれらの場合だけに注目して、《unless = if … not》と単純に暗記してしまって誤解している人が多いのです。

◆《if not》のみ可能な場合

『唯一の除外の条件』を表さない場合は《unless 》を使うことができません。

したがって,下記のような例においては,「BでなければAだ」という意味しか表すことができないので《if not》で表すことになります。

例(1)Her parents will be disappointed if she doesn’t pass the entrance exams.
(彼女が入試に合格しなければ両親はがっかりするだろう。)

※この例を<unless she passes the entrance exams>とすると,「彼女が合格しない限り,がっかりするだろう」となり不自然な意味になります。「両親ががっかりする」条件は他にもあるはずなので,『唯一の除外の条件』とはなり得ないからです。

例(2)I’ll be surprised if he doesn’t show up on time.
(もし〔いつも時間に正確な〕彼が時間通りに現れなければ驚きだ。)

※この例を<unless he shows up on time>とすると,「彼が時間通りに来ない限り,驚くだろう」となり不自然な意味になります。「私が驚く」条件は他にもあるはずなので,『唯一の除外の条件』とはなり得ないからです。

◆《unless》のみ可能な場合

【unless】以下の節の中が否定形になっている場合は【if not】で置き換えることはできません。

例 :You shouldn’t bother people around you too much unless you really don’t know how to use a computer.
(本当にコンピューターの使い方が分からないんだったら話は別だけど,あまり周りの人に迷惑かけちゃいけないよ。)

◆《unless》は仮定法では使えない

《unless )は「事実に反する」仮定法では使えない!

が大原則です。(追加補足的に用いる場合は可能です。)

一部の文法学者は、「事実に反する」仮定法でも使えると主張していました。私がイギリス留学時代に直接教わったGraver氏はその数少ない学者の一人でしたが、その主張は氏の著書でしか見られず、主流となることはなく今でもそれは変わりありません。

しかし,受験用問題集などでは,書き換え問題に《unless=if not》を前提にした問題が今でも出題されているので、誤った情報がなかなか消え去ることがないのです。

例 If she hadn’t had bad sight, she would have noticed the traffic sign.
(目が悪くなければ彼女は交通標識に気がついただろうに。)

補 足

《unless》が『唯一除外の条件』を表すという意味は、1994年以降かなり浸透してきているように思います。

それは1993年の”センター試験ショック”のお陰もあって、それ以降に改訂された辞書や文法書の進歩のおかげだろと思います。

その一方で,原則として「仮定法では使えない」という事実はまだまだ広くは知られていないようです。

この数年の間に版が新しくなった,あるいは,新しく出版された辞書にはたぶん上記のような内容が説明されているはずです。

ご自分の利用辞書を確認してみましょう。

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