大学受験のための「英検準1級」取得に関するアドバイス

   

先日、英検準1級に関する問い合わせをいただきました。

某国立大学の獣医学部において、英検準1級に合格するとセンター試験の英語が「満点」扱いになるということでした。

つまり、筆記が200点とリスニングが50点ですから、計250点獲得したとみなされる訳です。

私が教えている高校生たちは今まで大学受験のために英検を受験する者がほとんどいなかったので、個別の大学で英検の資格をどのように扱っているのかは調べたことがありませんでした。

また、英検やTOEIC受験に関して、質問を受けた時にその都度簡単なアドバイスはしてきましたが、まとまった情報を提供したことはありませんでした。

今回、個人レッスンで英検の指導を受けたいということでしたので、ネット検索で大学における英検の取り扱いを調べました。

ついでながら、その過程で、英検準2級に合格していれば「センター試験英語80%」扱いになる、2級で「90%」、準1級では上述したように「100%」という大まかな傾向が見られました。

さらに、書店で準1級関連の問題集や単語集などを2時間ほどかけてどのような教材があるのかを念入りに調べました。

そして、とりあえず過去問題集を1冊だけ購入し、「傾向と対策」を練るために過去3回分の問題を語彙を含めて数時間かけて分析しました。

その結果、英検受験に関しては気をつけないといけない点もあることが過去問分析から分かりました。

問い合わせをいただいた高校生は面談間近になってキャンセルの連絡があったので、直接生徒から詳しい情報を収集することができませんでした。

同時に、分析から分かった大切なことをアドバイスすることができなかったのが残念でした。

そこで雑記帳風になりますが、この記事を書いている次第です。

英検受験に関しては、一般的な情報は参考書の類やネットの体験あるいは解説記事を読めば分かると思いますので、私なりの視点で2~3のポイントを書こうと思います。

英検準1級受験に特別な対策は必要か?

結論から言えば、多少の対策は必要でしょう。

どのようなテストであれ、問題慣れをしているかしていないかによって程度に差はあれ結果に影響が生じるはずです。

そのために、いわば「傾向と対策」があるわけです。

出題形式が変わらない限り、

◎どのような形式の問題が出されるのか、

◎どのようなテーマ(話題)が出されるのか、

◎どの程度の語彙が求められるのか、

◎リスニングの難易度はどの程度なのか、

◎面接をどのような行われどのようなことを尋ねられるのか

を知って試験に臨むことが頭と心の準備になります。

しかし、

時間と労力をかけて長期に渡って勉強する必要があるのかと問われたら、高校生の場合は必要無いと考えます。

これには前提条件があって、

英検準1級というのは、それなりの英語力がある人が受ける試験です。

高校生であれ、大学生あるいは社会人であれ、合格者は「英語が得意なんですね。」と周囲の人から思われるはずです。

つまり、英検準1級の資格所得者は英語が得意な人なのです。

そういうレベルの人は基本的な「傾向と対策」を行えば合格できます。

1回で合格できるとは限りませんが、例えば、髙3の春に合格できなくても秋には合格できます。

では、どの程度の英語力があれば「英語が得意な人」になれる可能性があると言えるのでしょうか。

英検準1級合格を前提に考えると、

髙3の秋に、センター試験対策用の模試の類で「平均180点台」や調子の良い時なら「190点台」を取っているような人です。

こういうレベルの人は、自分で過去問題集や単語集を買ってきて自分で勉強すれば合格できます。

私がこのように断定するのは、実際にそういう生徒がいたからです。

昨年(2017年)の秋に、上記のようなレベルの生徒が上記のような方法で自主学習をして見事に合格しました。

帰国子女でも特別な英語学習を経験してきたわけでもないごく普通の高校生でした。

こういう英語力の生徒は、英検準1級合格の1~2歩手前にいる状況と言えるでしょう。

だからこそ、基本的な「傾向と対策」で合格できるのです。

英語が得意な人は準1級を利用すべし!

いくらセンター対策模試において高得点を平均的に取っていても、本番のセンター試験で同じように高得点を取ることができるとは限りません。

緊張感や体調不良のために普段の実力を出せないことは時として起こりえます。

いつもは平均180点以上を安定して取っていた生徒が本番のセンター試験で150点台や160点台しか取れなかったというようなことがこれまでもありました。

実際、今年(2018年)のセンター試験でも、そういう生徒が一人いました。

私が作っている長文読解の教材の中で最高難度の長文をこなしていた生徒だったので私自身とても驚きました。

お母さんの話だと、直後はとても落ち込んでいたようです。

これが「一発勝負の怖さ」です。

こういう事態を避けるためにも、志望先が準1級の資格を生かせる大学(or 学部)なら、「保険をかける」という意味でも、準1級の資格を取ることを積極的に考える価値はあると思います。

運悪く入試までに合格できなくても、センター試験というチャンスが残っているのですから。

実力不足の人に準1級受験は勧めません!

決して水を差したいわけではありませんが、英語がそれほど得意でない人は英検の資格を取るにしても2級まででやめておいた方がよいかもしれません。

理由は、そのレベルに達していないとあまりにも負担が大きいからです。

過去問を分析した結果、

「英検受験に関しては気をつけないといけない点もある」

と前述しました。

この負担が一番気をつけないといけないポイントです。

準1級合格ラインが近いところに見えている人はよいのですが、そうでない人の場合は、多大な労力をかける必要があるでしょう。

そうなると、本来の大学受験勉強に悪影響を及ぼす可能性があります。

それでは本末転倒という結果になってしまうかもしれません。

この点を心配します。

合格ラインは『約6割の正解率』です。

迷う場合は、不合格覚悟で、簡単に「傾向と対策」をおこなって一度受験してみることです。

そして、その結果を見て、得点が「6割」にどれほど近いかで判断してもよいかもしれません。

とにかく、必須でないかぎり、安易に受験しない方がよい場合もあるということは知っておいてください。

語彙の難易度の目安

2017年度第1回の【大問1」に関して語彙レベルを検証してみました。

これは四択問題です。25問あります。最後の4問は「句動詞」が出題されるようです。

ここに選択肢として出されている語彙が、大学受験用の単語集にどれほど掲載されているかを調べました。

基準として用いた単語集は一応最難関大学用とされる「英単語ターゲット 1900」です。

たとえ派生語の紹介として掲載されているだけでも「掲載」とみなしました。

 

単語集に掲載されている語は黒色で、掲載されていない語はピンク色です。

1.humble, impulsive, desperate, observant

2.prosper, formulate, proclaim, lodge

3.perspective, disposal, archive, subsistence

4.gliding, grazing, grooming, glancing

5.unconscious, immaterial, unreasonable, inventive

6.prevalent, trivial, savage, arrogant

7.validity, correspondence, imbalance, mercy

8.encounters, sacrifices, rations, junctions

9.solemnly, courteously, intermittently, recklessly

10. mediated, adhered, fabricated, incorporated

11. comply, conspire, rebound, replicate

12. grant, strangle, withdraw, ignite

13. apprentices, siblings, peasants, referees

14. excavation, meditation, alignment, enrollment

15. endorse, discard, extent, magnify

16. disarray, permanence, friction, precision

17. signified, threatened, witnessed, soaked

18. clumsy, rigid, nosy, sober

19. dedication, tariff, stiffness, blockade

20. entitled, illustrated, contaminated, suppressed

21. crawl, tame, sue, twist

※句動詞を対象にした最後の4問(22~25)は省略しました。

84個の単語の中で31個が上述の単語集では扱われていません。

質問(1)黒色の単語をどれくらい知っていましたか。

質問(2)ピンク色の語で知っていたのはいくつありましたか。

★ポイント

6割を正解するためには、必ずしも全ての単語を知っている必要はありませんが、知らなすぎると「山勘」の世界になってしまいます。

確実に6割以上を正解できる語彙力があるかを見極めてください。

希望的に述べると、

文脈力も駆使しながら、消去法で1つに絞ることができる程度の語彙力があれば合格レベルに達するはずです。

ですが、欲を言えば、

語彙問題は点を稼ぐところですから、リスニングで点を落とす人が多いことを考慮すると、6割といわず7割、8割正解したいものです。

 

 

 

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